皆様こんにちは、いで整体院・整骨院です😊
本日は
『膝の痛みは、どうすれば改善に向かうかを今までの常識と、これからの常識を交えてお伝えしたいと思います』
当院で膝の症状でお悩みの方が来院されていて、「どうすれば膝の痛みが治りますか?」という質問をいただきましたので、口頭だけでは伝わりにく部分も含めて、コラムにしました。
最後にはエビデンス(科学的根拠)の高い論文のリンクも載せておきます。
軟骨の今までの常識
最近まで膝を含めて関節は、使えば使うほどすり減っていく『摩耗説』が一般的でした。
車のタイヤのようにすり減っていくという考えですね。
その場合、安静が一番の薬になるというのが最近までの常識でした。
しかし近年ではこの摩耗説は覆されて、
今では
適切な刺激で関節は代謝して再生するというのが一般的になってきました。
大事にしすぎて動かさないことの方が、関節を悪くするということですね。
(痛すぎて動かせない場合は別)
ですが適切な刺激というのがポイントになります。
関節を壊す原因
①過剰な負荷
関節にある軟骨は、削れているのではなくて、過剰な負荷がかかるとカルシウムが細胞内に過剰になり、自ら関節を壊すようになると言われています。(このあたりのシステムは少し複雑なので、簡単に書いています)
②内臓脂肪、メタボリックシンドローム
これは内臓脂肪が多いことで、過剰な負荷がかかるということだけではなく、内臓脂肪が出す
全身性炎症物質(アディポカイン)が関節を攻撃して、炎症が強くなるということです。
肥満や糖尿病があると全身に炎症物質が行きやすくなります。
高血圧も変形性膝関節症のリスクを1.7倍にすると言われています。
③腸内環境
腸内環境が悪いと、腸内毒素(エンドトキシン)が血流に乗って関節を攻撃するといわれています。
腸内環境改善には以前のコラムを参考にしてください↓
https://ide-seikotsuin.com/cyoukarajiritu
今では使いすぎて軟骨がすり減るという常識は変わってきています。
ではどうしていけばいいかというと
まずは軟骨の構造をお伝えします。
軟骨には血管がなく、栄養の取り込み方が
わかりやすく例えるとスポンジのようなものになります。

スポンジに溜まった、汚れた水を適切な荷重により排出して、荷重が抜けた時に、新鮮な栄養を吸収していくと言うポンプ作用を繰り返す必要があります。
これをダイナミックコンプレッション(動的圧縮)と言います。
痛いからといって、動かさないでいると、軟骨は栄養を得れず悪くなっていってしまうのです。
ですので軟骨にとって適切な運動こそが食事になるのです。
①痛み・不安
↓
②安静にしすぎ
↓
③筋肉低下・関節の不安定
↓
④炎症・細胞死の加速
の悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環を断ち切る特効薬は薬でも湿布でもなく
①身体のバランスを整える
②肥満やメタボ、腸内環境改善
③筋肉をつける
が大事になります。
先ほどのスポンジを思い出して、適切な負荷をかけていくことが必要です。
筋肉は天然のサポーターです。
太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)が弱い場合、将来的に変形性膝関節症になる可能性が
女性は85%、男性では43%とも言われています。
活動量が少ない
↓
筋力が弱くなる
↓
関節が弱くなる
ということが多く
筋肉で自分の体重を支えれないと関節のダメージは防げないのです。
骨折などをした方ならわかるかもしれませんが、ギプス固定で動かさずにいるとたった2週間で10%近くも筋肉は無くなってしまいます。
『痛いから休む』の恐ろしさがここにあります。
1〜2日寝たきりだけでも、数週間のトレーニング効果を失ってしまう可能性も。
運動などで軟骨がすり減る心配をする必要はありません。
確かに歩いたりランニング直後は軟骨は薄くなりますが、これは水分が絞り出されただけで、90分以内にほぼ元通りになると言われています。
適切な負荷は軟骨を減らすどころか、栄養を行き渡らせて組織を強くします。
心配する必要があるのは、回復する時間を取らない、無謀な酷使です。
ただどんな運動でもいいわけではなくて、
✖️動かない→栄養不足、筋力低下
✖️強い負荷→組織破壊、炎症
⭕️中くらいの適切な刺激→軟骨保護、強くする
改善に向けて行う、5つのこと
①運動後は軟骨の水分が戻るのを待つために、90分は負荷をかけず休んでください。
ある程度強い負荷をかけた場合は次の日は休むか軽いトレーニングにしましょう。
②エキセントリック(伸長性)トレーニング、筋肉が伸びながら力を発揮する、スクワットを行う
なぜスクワットが良いかと言うと、腱の強化と衝撃吸収力の強化と可動域をよくするためです。
ただスクワットをすればいいのではなくて、
注意点として、
・膝ができるだけ前に出ないようにする、
・お尻を後ろに引き股関節を大きく動かすスクワットになります。
・膝ではなく股関節を支点に曲げてください。
これにより膝関節よりも強い股関節の筋肉周りも使うことにより、膝の負荷を減らしながら、筋肉をつけることができます。
・曲げる度合いは無理しすぎず、痛くない手前までの範囲で行ってください。
・3〜5秒かけてゆっくり下ろしてください。
・最初は10回ほどからはじめて、徐々に回数も曲げる度合いも上げていきましょう。

これにより腱を強くして、着地時の衝撃吸収能力や関節を守るブレーキ性能も向上します。
③足が浮いた状態よりも、着いた状態でのトレーニングの方が有効です。
足が地面に付いている方が、関節の適合性が高まり、痛みが減少する効果があるからです。
人間は地面に立って生活する動物です。ですので地面からの反発力をコントロールする能力が大事です。
それを考えても上記のスクワットやこの後紹介するトレーニングが有効になります。
④足裏の感覚を鍛える。
足裏から関節の位置を感じとるセンサー(固有受容感覚)が鈍っていると、どんなに筋肉があっても着地の瞬間に適切なタイミングで力を発揮できなくなるからです。
最初に足裏で衝撃を吸収することを考えても(足部内在筋)
・足指でタオルを引く運動や

・不安定な状態で立つ訓練
最初は無理せず、手を壁に着いたり、つま先立ちなどから始めて、のちにはディスクボードなどで不安定な状態で片足立ちをしたりする、運動がいいでしょう。

足裏は情報の入り口です。
ここを鍛えることで、脳と体の連携をスムーズにして微細な関節へのズレを防ぎます。
⑤最後は身体の火事(炎症)を消す食事
●体重管理:1kgの減量は膝への負担を数kg減らす
●腸内環境管理:加工食品などを避け、腸内環境を整える
これにより関節を溶かす毒素の侵入を減らしましょう
●脂肪が減ることにより、全身性炎症物質(アディポカイン)が減り、炎症を抑えやすくなります
まとめ
関節は消耗品ではなく、
恐れず動かし、賢く休み
適切な体型を保つことで、関節を再生させることは可能です。
当院の施術を受けることで身体のバランスを整え、負担を軽減しながら行うとより効果的です。
正しい知識を持ち、一歩ずつ行動していきましょう。
以上が
『膝の痛みは、どうすれば改善に向かうか。今までの常識と、これからの常識』になります。
その他気になることやわかりづらいことなどありましたら、来院時やLINEにてご質問下さいね。
- 論文タイトル: How Physical Activity Affects Knee Cartilage and a Standard Intervention Procedure for an Exercise Program: A Systematic Review
- 著者・発行年・掲載誌: Musumeci G, et al. / 2022年 / International Journal of Environmental Research and Public Health
- 論文のURL(DOI): https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36292268/
- 研究手法: システマティックレビュー(24研究を統合)
- エビデンスレベル: レベルII(システマティックレビュー)
- 結論・要約: 自然な加齢プロセスとともに軟骨は変性するが、身体活動の種類・強度によってその進行速度が異なり、適切な有酸素運動・筋力トレーニング・柔軟性トレーニングなどは軟骨の健康維持に概ねポジティブな影響をもたらす PubMedことが示されています。「動かさないこと」も軟骨劣化につながる原因になり得ます。
- 論文タイトル: Risk factors for the development of knee osteoarthritis across the lifespan: A systematic review and meta-analysis
- 著者・発行年・掲載誌: Primorac D, et al. / 2025年 / Osteoarthritis and Cartilage
- 論文のURL(DOI): https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S106345842500860X
- 研究手法: システマティックレビュー+メタアナリシス(131研究を統合)
- エビデンスレベル: レベルI(メタアナリシス) ※最高水準
- 結論・要約: 膝の以前のケガ・高齢・高骨密度が軟骨損傷の独立したリスク因子であること、また肥満・膝の外傷の2因子だけで変形性膝関節症発症の14%を占めること、さらに職業的な身体活動も症状を悪化させること ScienceDirectが示されています。軟骨が壊れる主な原因が科学的根拠とともに整理された、信頼性の高い論文です。
- 論文タイトル: Obesity-Related Knee Osteoarthritis — Current Concepts
- 著者・発行年・掲載誌: Katz JN, et al. / 2023年 / PMC (Journal of Clinical Medicine)
- 論文のURL: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10456094/
- 研究手法: ナラティブレビュー(最新の総説)
- エビデンスレベル: レベルV(専門家総説)
- 結論・要約: 膝関節症の主なリスク因子として遺伝・加齢・性別・力学的負荷・肥満/メタボリックシンドロームが挙げられており、肥満は単なる体重増加による関節への過負荷だけでなく、脂肪組織が引き起こす全身性炎症によっても軟骨を破壊する PubMed Centralことが示されています。前十字靭帯断裂などのスポーツ外傷も長期的な軟骨変性の引き金になります。






