〜整体的見地から見る、理想のシートと姿勢のポイント〜
本日は、当院に来院される方からよくいただくお悩みの一つ、
「車の運転中に腰やお尻が痛くなる」という悩みにお答えしていこうと思います。
長時間の運転では、姿勢やシートの状態がほんの少し違うだけで、
腰や背中、お尻にかかる負担が大きく変わります。
今回は整体的な視点から車に座っている時に、どのようなところを気をつけた方が良いかを7つ挙げて、その後にサポートアイテムをお伝えしたいと思います。
運転中に意識したい7つのポイント
① 座面は「やや水平〜少しだけ前下がり」
座面が後ろ下がりになりすぎていないか確認しましょう。
・後ろ下がりだと股関節が曲がりすぎて骨盤が後傾し、腰が丸まりやすくなります。

・結果として坐骨だけで体を支えることになり、腰痛の原因に。理想は「お尻より太ももが少し下がる程度」。
・座面が下がり過ぎの場合は坐面クッションを置くことにより、股関節が曲がり過ぎず太ももの裏でも体重を分散できます。

→ 骨盤が立ち、背骨の自然なS字カーブが保たれ、腰への負担が軽くなります。
② 背もたれの角度は「100〜110度」
背もたれは、直角より少し後ろ(ややリクライニング気味)が理想です。・
・真っ直ぐすぎると腰の筋肉が張りやすく、
・倒しすぎると骨盤が後ろに傾き、腰が丸まって痛みの原因に。
無理のない角度で背中全体を支えられるポジションを見つけましょう。
③ 腰(ランバーサポート)で隙間を埋める
腰と背もたれの間に隙間ができる人は小さなクッションを入れて、背骨の自然なS字ラインをキープします。
・腰の隙間を埋めることで、長時間でも疲れにくくなります。
・シートにランバーサポート機能がある場合は、腰が軽く押される程度に調整を。
④ ハンドルの位置は「腕が軽く曲がる距離」で
腰をしっかりシートに預けたまま、肩が浮かない程度に腕を伸ばせる距離が理想です。
・近すぎると肩や腕に力が入りやすく、
・遠すぎると前のめり姿勢になり腰に負担がかかります。
⑤ ヘッドレストは「頭の真後ろ」に
頭が前に出ると、首から背中の筋肉が緊張してしまい、結果的に腰にも影響します。
・頭の重さ(約5kg)をしっかり支えられる位置に調整しましょう。
⑥ アームレスト(肘置き)を活用する
アームレストがあると、上半身の重みを部分的に支えることができ、腰や肩の負担を軽減できます。
・長距離運転では、肘を軽く乗せてリラックスできる姿勢を意識してみてください。
⑦ 30分〜1時間ごとに休憩を
どんなに良い姿勢でも、同じ姿勢で座り続けるのは体の負担になります。
・座ったまま体を少しねじったり、座る位置を少し変えたりするだけでも効果があります。
・休憩時に軽く立ち上がり、足を動かす・背伸びをするだけで血流が改善します。
「良い姿勢」はあくまで“負担の少ない疲れにくい姿勢”であって、“長時間同じ姿勢でいられる姿勢”ではない、ということを覚えておきましょう。
負担を減らすサポートアイテム
・座面クッション
骨盤の後傾を防ぎ、坐骨への圧を分散。
座面の角度をやや水平〜前下がりに調整できるタイプがおすすめです。
下の写真のようなクッションをオススメします。


・腰クッション(ランバーサポート)
背骨のS字をサポートします。
腰と背もたれの隙間がある場合は埋めます。
隙間がない場合は無しで大丈夫です。
人により座面クッションと併用することで、より効果的に負担を軽減できます。

・シートヒーター(寒い季節)
腰〜背中の血流を促進し、筋肉の緊張を和らげます。
冷えやすい方には特におすすめです。
運転姿勢を少し工夫するだけで、
腰やお尻の負担は大きく軽減できます。
車の運転中にシートに座っていて、腰やお尻の痛みの軽減には、どのようなシートの状態や姿勢が良いかの返答になります。
わかりにくい点や気になることがありましたら、来院時やLINEでもお気軽にご相談くださいね。






